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不動産を売却した時に、利益が出た場合は税金がかかります。どのような税金がかかるのか、事前に確認し、把握しておくことが大切です。
自宅などの自分が実際に住んでいるマイホームを売却した場合には、後から説明する特別な控除などがあり、税金がかからない場合が多いですが、ここではマイホームの税金 について、一般的な基礎知識を解説していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
マイホームを売却した場合の特例
1.居住用財産の3,000万円特別控除
まず、多くの売主さんがここに当てはまるのですが、実際に住んでいるご自宅を売却した場合は、3,000万円以下の利益に対しては税金がかかりません(全額、控除されます)。マイホームを売る場合は、特例があるということですね。
東京都心などの地価が高いエリアや土地バブルが発生している商業地エリア以外であれば買った時より、3,000万円以上高くで売れるということはあまり考えられませんので、「マイホームを売却する場合は無税になる可能性がある!」ということを頭に入れておいてください。
ここで、不動産の「譲渡所得(売却時の利益)」についてみていきましょう。
八百屋さんで例えると、市場でりんごを80円で仕入れ、経費込で100円かかったとします。そのりんごを200円で売った場合は、100円の利益が発生し、その100円の儲けに対して税金が課税されます。この税金がマイホームについては3,000万円まではかからないということなんです。
不動産の売却においては、所得税の課税対象となる価額を「譲渡所得」と言います。譲渡所得の計算式は下記になります。
譲渡所得=譲渡価格ー(取得費+譲渡費用)
分かりやすく説明すると、
売却時の利益=売った価格ー「(買った時の価格ー減価償却費)+買った時の諸費用+売った時の諸費用」
「譲渡価格(売った価格)」は、分かりやすいと思いますが、「取得費」は少し注意する必要があります。
よく「取得費」を単純に「買った時の価格」と思いがちですが、実はそうではなく、「取得費」は「買った時の価格」から「減価償却費」を差し引いた後の金額のことを言います。「減価償却費」とは、簡単にいうと「建物の劣化した部分の価格」と考えると分かりやすいでしょう。
要するに、自宅の「建物」については、時間の経過とともに価値が減少(劣化)しているものとして考えるため、譲渡所得の計算の際には、実際に買った金額から減価償却費(建物の劣化した部分の価格)を差し引く必要があるのです。
逆に、不動産の「土地」の価格については「劣化」という概念がないため、減価償却はされません。建物は年が経過するたびに価格が下がり、土地の価格は変わらないと覚えておいてください。
また、別の機会に説明しますが、不動産を保有したり、売却する際は、土地値比率の高い資産性ある不動産(土地の価値がある)を購入することが、とても重要な考えになってきますので、これも頭に入れておいてくださいね!
2.居住用財産の3,000万円特別控除を利用する際の注意事項
※3000万円の特別控除の適用条件
「3,000万円の特別控除」はマイホーム(居住用財産)の売却を前提としており、以下のような適用条件があります。
・自分が実際に住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること
・以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
・家屋を取り壊した場合、譲渡(売買)契約までの間に土地を住居以外(賃貸、貸駐車場など)に使ってないこと
・売った年の前年及び前々年にマイホームの買い替え等の特例を受けていないこと
・売主と買主が、親子や夫婦など特別な関係でないこと
逆に、以下のような場合については適用しないということが明記されています。
・この特例を受けることだけを目的として入居したと認められる家屋
・居住用家屋を新築する期間中だけ仮住まいとして使った家屋、その他一時的な目的で入居したと認められる家屋
・別荘などのように主として趣味、娯楽又は保養のために所有する家屋
この制度を利用するには、いくつかの条件がありますので、詳細は、下記の国税庁のHPをご参照ください。
3.不動産の所有期間によって変わる税率と、マイホーム10年超所有の「軽減税率の特例」とは
・短期譲渡所得(所有期間が5年以下の場合)
39.63%:所得税30%+住民税9%+復興特別所得税0.63%
・長期譲渡所得(所有期間が5年を超える場合)
20.315%:所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%
不動産を売却する際に課税される「所得税」と「住民税」と「復興特別所得税」は、その不動産を「所有していた期間」によって、税率が変わります。
所有期間10年超の場合の軽減税率
所有期間が10年を超えるマイホームを売却した場合は低い税率が適用されます。
・6,000万円以下の部分:14.21%(所得税及び復興特別所得税10.21%+住民税4%)
・6,000万円超の部分:20.315%(所得税及び復興特別所得税15.315%+住民税5%)
この特例は、前記のマイホーム3,000万円控除との併用も可能になります。この項目も地方都市では事例が少ないと思われますが、参考にされてみてください。
住宅ローン控除併用不可
売却後の住み替えで、次の新居購入時に住宅ローンの融資を受ける場合は、3000万円の特別控除と住宅ローン控除との併用での利用はできませんので、ご注意ください!!これは、多くの人が気付かないことなので、計算をしてどちらが有利かを有利な方を選択してくださいね!
4.不動産売却時の税金を確認するフローチャート
・STEP1:売却する不動産が「マイホーム」である
・STEP2:「譲渡所得(売却時の利益)」を計算する
・STEP3:売却時の利益が3,000万円以内であれば、「3,000万円特別控除の特例」を適用する
譲渡所得(売却時の利益)が3,000万円以下であれば、税金は非課税なのでここで終了です。3,000万円を超える場合はSTEP4に進んでください。
・STEP4:不動産の「所有期間」を確認する
不動産の所有期間が5年以下であれば「短期譲渡所得」、5年超10年以下なら「長期譲渡所得」、10年を超えていれば「軽減税率の特例」の税率によって所得税と住民税を計算してくださいね。
まとめ
1.マイホームを売却した場合、利益の3,000万円までは税金がかからない
2.3,000万円の特別控除を利用するには条件がある
3.3,000万円以上の利益が出た場合は所有期間によって税率が変わる
4.フローチャートでチェックしよう!
マイホームを売って「損失」が出た場合は、別のコラムで説明しますね。
※本コラムの内容は更新時点の税金に関する簡易的な説明であり、内容を証明するものではありません。詳細は税務署または税理士にご確認ください。