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相続した不動産を売却したときいくらかかる?税金対策になる特例や控除について解説
両親や祖父母から不動産を相続した場合、売却を考える方が多くいらっしゃいます。
すでに他の地域で暮らしている場合、相続することで負担を増やしたくないな、と考える人もいるでしょう。
もしくは、シンプルに売却して少しでも現金にしたいという方も少なくありません。
しかし、当然ながら相続税だけではなく、売却した際にも税金がかかります。そこで、ここでは不動産売却時にかかる税金や税金対策になる特例・控除について解説していきます。
・不動産を売却した時にかかる税金ってどんなものがある?
不動産を相続した場合には相続税がかかります。しかし、不動産を売却した際にも税金がかかります。代表的なものが以下の5つです。
1.登録免許税
登録免許税は相続登記を行う際にかかる税金です。相続登記とは相続した不動産の所有権を本来の被相続人から相続人へと変更する手続きを指します。その際に登録免許税がかかるのです。その税率は不動産価格の0.4%と一律で定められています。つまり、3,000万円の不動産だった場合、12万円が登録免許税として課税されるのです。
2.印紙税
印紙税は経済取引において作成する文書に対してかかる税金です。これらは課税される金額ごとに2,000円~10万円と定められています。以下、印紙税の早見表となります。
契約金額 |
印紙税額 |
軽減税額 |
100万円超500万円以下 |
2,000円 |
1,000円 |
500万円超1,000万円以下 |
1万円 |
5,000円 |
1,000万円超5,000万円以下 |
2万円 |
1万円 |
5,000万円超1億円以下 |
6万円 |
3万円 |
1億円超5億円以下 |
10万円 |
6万円 |
※軽減税率は平成26年4月1日~令和4年3月31日までの間に作成される不動産売買契約書に限るため、注意が必要です。
3.住民税
住民税は日本に居住する方に課せられる税金です。これらは所得を参考に算出されるため、不動産売却時においては譲渡所得が課税対象となります。その際の税率は9%または5%となります。これらも短期譲渡所得なのか長期譲渡所得なのかで異なり、5年以下では9%で5年超では5%と定められているのが特徴です。
4.譲渡所得税
譲渡所得税は不動産を売却して得た所得に対してかかる税金です。その計算式は「譲渡所得=譲渡収入金額-(取得費用+譲渡費用)」となります。取得費用は取得するためにかかったお金、譲渡費用は譲渡するためにかかったお金をそれぞれ表します。
これによって算出される譲渡所得の税率は譲渡所得の30%または15%とされており、短期譲渡所得の場合は5年以下で30%、長期譲渡所得の場合は5年超で15%と定められているのが特徴です。
5.復興特別所得税
東日本大震災以降、復興の財源を確保するために課せられている税金が復興特別所得税です。これは令和19年まで支払う義務がある税金であり、所得税の税率に2.1%が加算される形で算出されます。不動産売却時の税率は譲渡所得の0.63%または0.315%であり、これも短期と長期で異なるのが特徴です。
・相続した不動産を売却して利益が出たら場合は確定申告が必要
ちなみにですが相続した不動産を売却して所得が発生した場合、当然のことながら確定申告が必要となります。
特に譲渡所得税・住民税・復興特別所得税は相続人が自ら確定申告を行って納税しなくてはなりません。これらは毎年2月16日~3月15日までが期限とされています。
しかし、現状としては納税が必要なことを知らず、放置してしまう方も多いです。そうなった場合、故意であるかどうかに関わらず、追徴課税が課せられることもあり、いわゆる「脱税扱い」とされることもあるため、不動産売却時に所得が発生した場合は必ず確定申告を行いましょう。
ただ、確定申告はあくまでも利益が出た場合に限り必要となるものです。そのため、売却した結果として利益が出なかった場合は確定申告も不要となります。よりシンプルに考えるのなら、譲渡所得がマイナスになった場合は不要、プラスになった場合は必要と考えておきましょう。
なお、特例や控除を活用した場合、確定申告が不要だと判断する方もいます。しかし、実際には特例や控除を適用する前の金額が課税対象となるため、十分に注意しましょう。
もし仮に特例や控除を使ってマイナスになった場合でも、適用前がプラスなのであれば確定申告が必要です。そもそも特例や控除を受けるためには確定申告が必要となるため、順番を間違ってしまわないように注意が必要です。
・相続した不動産を売却する際の注意点
また、相続した不動産を売却する際には注意点もいくつかあります。まず流れを把握しておかないとわかりにくいと思うので、以下に簡単な流れを掲載しておきます。
1.遺産分割協議を行う
2.相続登記を行う
3.相続不動産を売却する
4.現金を分割する
まず必要となってくるのが遺産分割協議です。そもそも不動産を売却するとは言っても、相続人が複数いる場合は、その相続人でどのように遺産を分割するか協議しなくてはなりません。当然ながら遺族ごとに意見が食い違い、不動産を売却するという意見もあれば不動産を残しておくべきだという意見も出てくるでしょう。そうなった場合、まずは遺産分割協議において相続人が納得する答えを見つけなくてはなりません。だからこそ、相続人ごとに十分な話し合いを行う必要があります。
また、不動産を売却すると決まった場合でも注意点はあります。例えば、不動産の価値を査定してもらう場合、1社だけで決めてしまうのは危険です。そのため、必ず評価額を算出してもらう際には複数の業者に依頼すべきです。査定によってはより良い条件で売却できる可能性もあるため、即決するのではなく慎重に判断した方がいいです。
その他、売却した後に購入者とトラブルになるケースもあります。例えば、売却後に不動産にトラブルが発生した場合、瑕疵担保責任を問われる場合があるのです。瑕疵担保責任とは、簡単に言えば「欠陥があるかどうか」という責任のことです。これら不動産の売買契約において引き渡した不動産に瑕疵があった場合、売主が買主に責任を負わなくてはなりません。
相続不動産の場合は相続したばかりで判明していない瑕疵が隠れている可能性があるため、売却に焦っている場合は注意が必要です。
・不動産売却にかかる税金を抑えるための方法
相続不動産を売却した場合、税金を抑える方法もあります。それは特例や控除を活用するという方法です。例えば、不動産売却においては以下のような特例や控除があります。
1.土地売却の特別控除
2.特定期間に得た土地売却の特別控除
3.公共事業による土地売却の特別控除
4.農地の税金控除特例
まず基本となるのは、住んでいた土地を売却する際に対象となる控除です。これは「3,000万円控除」と呼ばれるもので、文字通り譲渡所得から3,000万円まで控除を受けられます。これらは通常、建物の売却時に適用される控除です。しかし、土地のみでも適用されるケースもあります。例えば、建物と土地を相続した後に移住し、その住宅を取り壊して土地のみを売却する場合などに適用されます。
また、平成21年1月1日~平成22年12月31日の期間内に購入した土地であれば、一定期間を過ぎてから売却することで1,000万円の控除が受けられます。それだけでなく、公共事業によって売り出す土地であれば、5,000万円の控除も受けられます。その他、農地であっても一定の条件を満たせば、売却時に800万円~1,500万円ほどの控除を受けることも可能です。
まずは特例が控除を上手に活用して、最小限の負担で済むように対策しましょう。
・困った時は不動産会社にご相談を
相続した不動産を売却するときには、税金がかかります。しかし、基礎控除も含めるとすべての方が課税対象となるわけではありません。特例や控除を使いこなすことによって、非常に大きな節税効果を生み出すことも可能ですが、これらは専門知識や専門技術がないと難しいです。
そのため、不動産の売却を検討している段階で不動産会社に相談することがベストです。
1LCは特例や控除を使いこなすためのアドバイスも行なっており、全国どこでも対応しています。実際にご相談いただくお客様の中でも「相談しておいて良かった」とお喜びいただけるケースが多いので、まずはお電話やお問い合わせフォームから、お気軽にご相談ください。